若潮・長潮は釣れない?意味と狙い方|潮がゆるい日の釣り方
カゼシオ編集部 ・ 2026-07-23 更新

潮見表で「長潮」「若潮」の文字を見て、釣行をやめようか迷ったことはありませんか。「長潮・若潮は釣れない」は釣り人の間でよく言われる話ですが、仕組みを知れば、この潮回りならではの戦い方が見えてきます。潮系ガイドの締めくくりとして、初心者くんがカゼシオくんに聞いてみました。
若潮・長潮って、そもそも何?
潮回りのカレンダーの中の、「潮の動きがいちばん小さい底」とそこからの「折り返し」にあたる2日間だよ。
潮回りは「大潮→中潮→小潮→長潮→若潮→中潮→大潮…」の順で、約15日でひと回りしてる。月と太陽の位置関係で決まる仕組みそのものは大潮・中潮・小潮の意味と釣れるタイミングに譲るとして、今回の主役2つだけ拡大して見てみよう。
- 長潮(ながしお):小潮の終わりに来る日。干満差がひと回りの中でもっとも小さくなって、潮位の変化がメリハリなく、だらだらと長く続くように見える。この「だらだら長い」が名前の由来と言われているよ。
- 若潮(わかしお):長潮の翌日。ここを折り返しに、潮の動きは大潮へ向かって日ごとに大きくなっていく。「潮が若返る」から若潮。名前からしてちょっと縁起がいいでしょ。
空を見上げると、このころの月はだいたい半月の少しあと。満月や新月(=大潮)のちょうど中間あたりの時期なんだ。つまり長潮・若潮は「特別な異常事態」じゃなくて、毎月2回ずつ必ずやってくる、潮のサイクルの谷間ということだね。
なんで「長潮・若潮は釣れない」って言われるの?
理由は潮止まりのときと同じ理屈で、「潮が動かない=エサが運ばれない」から。
潮の流れはプランクトンや小魚を運ぶベルトコンベアで、流れが効いている時間ほど魚の捕食スイッチが入りやすいと言われる。大潮はこのベルトコンベアが力強く動く期間。対して長潮・若潮のあたりは干満差が小さいから、1日を通してベルトコンベアがゆっくりしか動かない。時合いらしい時合いが訪れにくく、メリハリのない一日になりやすい——これが「釣れない」と言われるいちばんの理由だよ。
釣果予報のアプリやサイトでも、潮回りだけで機械的に点数を付けると長潮・若潮は最下位グループになりがち。だから釣行前から「今日はダメな日」という先入観ができやすいんだね。でも、ここからが今日の本題。その評価は「日単位のおおまかな傾向」でしかないんだ。
実際のところ、本当に釣れないの?
「釣りにくい傾向はあるけど、釣れない日と決まったわけじゃない」が実際のところ。長潮・若潮ならではのプラス材料もちゃんとあるんだ。
- 潮が完全に止まる日ではない:干満差が小さいといっても、満潮と干潮は毎日ある。つまりその日なりに潮が動く時間帯は必ず存在する。動く時間が短く弱いからこそ、そこを外さないことが大事になる。
- 流れが速すぎる場所では、むしろ釣りやすい:潮流の速い水道部や海峡まわりでは、大潮だと仕掛けが流されて釣りにならないことがある。そういう場所では、流れがほどよく緩む長潮・若潮のあたりがかえって釣りの成立する期間と言われるよ。
- 軽い仕掛けの釣りとは相性がいいと言われる:アジングやメバリングのような軽量リグの釣りは、流れが緩いほうが仕掛けをゆっくり見せやすい。潮がゆるい日を苦にしない釣り方の代表格だね。
- マズメは潮回りと関係なくやってくる:朝夕の光量変化による時合いは、長潮だろうと若潮だろうと毎日訪れる。潮の後押しが弱い日ほど、マズメの価値は相対的に上がるんだ。
- 釣り場が空く:「釣れない」と言われる日は釣り人も減る。人気ポイントの一級の立ち位置に入れるのは、それだけで大きなアドバンテージだよ。
あと、若潮には「潮が若返って動き出す日」として期待をかける釣り人も昔からいる。実際、若潮からは日を追うごとに潮の動きが大きくなっていくから、「ここから上向き」の初日ではあるんだ。過度な期待は禁物だけど、悲観する日でもないってことだね。
じゃあ、長潮・若潮の日はどう狙えばいい?
作戦はシンプルで、「少ないチャンスに寄せて、だらだらやらない」。具体的にはこの4つだよ。
- ① 潮が動く時間×マズメに短時間集中:1日粘るのではなく、その日いちばん潮が動く時間帯(見つけ方は次で説明するね)と朝夕のマズメが重なるところに釣行を絞る。マズメの時間の考え方は朝マズメ・夕マズメは何時から?でどうぞ。
- ② 「潮回りが弱くても水が動く場所」を選ぶ:潮通しのよい堤防の先端や水道部、川の水が常に流れ込む河口まわりなど、潮回り以外の要因で水が動く場所は、潮がゆるい日ほど価値が上がる。逆に、もともと潮の動きが鈍い湾奥はいちばん厳しくなりやすい。
- ③ 釣り方を寄せる:潮の後押しが必要な回遊魚狙いより、アジ・メバルのような軽量リグの釣りや、足元で魚を寄せて釣るサビキ釣りのように、コマセや誘いで自分からチャンスを作れる釣りが選択肢になる。流れが緩いとコマセが散らばりにくく、寄せた群れを足元に留めやすい面もあるよ。
- ④ 上げ・下げの向きは意識しておく:動きが小さい日でも、上げ潮か下げ潮かで魚の着き場や流すコースは変わる。考え方は上げ潮・下げ潮はどっちが釣れる?が参考になるよ。
発想を変えると、長潮・若潮は「釣りを休む日」じゃなくて「条件を選び抜く日」。大潮のように「いつ行ってもそこそこ潮が動いてる」保険がないぶん、時間と場所を選ぶ練習にはむしろ最高の日なんだ。
タイドグラフでは、どこを見ればいいの?
長潮・若潮の日こそタイドグラフの出番だよ。見るポイントは3つ。
- ① カーブ全体の「平べったさ」を確認する:長潮・若潮の日のタイドグラフは、山と谷の高低差(干満差)が小さく、カーブ全体がなだらか。まずこれを見て「今日は潮の後押しが弱い日だ」と認識しておくと、当日の期待値と作戦を間違えない。
- ② その中で「いちばん傾きが急な時間帯」を探す:どんなに平べったい日でも、カーブには必ず傾きの強弱がある。傾きがいちばん急な数時間=その日の潮がいちばん動く時間帯で、そこが勝負どころ。グラフの読み方の基本はタイドグラフ・潮見表の見方にまとめてあるよ。
- ③ 潮止まりの「長さ」を覚悟しておく:潮の動きが小さい日は、満潮・干潮前後の潮止まりもだらだらと長く感じられがち。アタリが止まっても慌てず、休憩や移動の時間と割り切ろう。潮止まりの過ごし方は潮止まりとは?本当に釣れないのかで詳しく話してるよ。
カゼシオの全国の潮見表なら、釣り場ごとのタイドグラフに現在時刻のラインとマズメの帯が重ねて表示されるから、「今日いちばん潮が動く時間」と「マズメ」の重なりがひと目で見つかる。長潮・若潮の日は、この重なりの2〜3時間に全力を注ぐ——それがこの潮回りのいちばん賢い戦い方だよ。


